[2018/04/13更新]うたスキ動画の音量調整に関する内容を記述しています。
ブラザー工業さんが公開した最近の特許に、キョクナビでの音量調整に関する構成図が添付されていたので紹介します。
特許自体は、マイク音、ミュージック音の設定値によるカラオケ店内での音質劣化を防ぐ為の物のようです。
ではまず該当特許を、特許・新案テキスト検索で検索します。
1.「検索項目」を「Fターム」を選択して、「検索キーワード」に「5D208?」を入力します。
2.「キーワードで検索」を押します。
3.下部の「一覧表示」を押します。
4.特開2017-173704を表示します。
5.上部の「全項目」リンクを押します。
これで、特許内容すべてが読めるようになります。
この中で、図面が4つありますが、図2の「マイクボリューム」「ミュージックボリューム」「メインボリューム」とある内容が、キョクナビでの「マイク」「ミュージック」「メイン」に該当するもののようです。
ブラザー工業特開2017-173704より引用
これによると、「マイク」に関してはカラオケ本体背面のマイクのアナログ入力から入ったアナログ信号がA/D変換で変換されたデジタル信号に対して、キョクナビでマイクデジタルボリューム調整しているようです。
「ミュージック」に関しては、再生するMIDIデータの時点でキョクナビでデジタルボリューム調整しているようです。
「メイン」に関しては、マイク、ミュージックそれぞれをアナログに変換した後のアナログ信号をミキサにかけて合成した後のアナログ信号のボリューム調整をキョクナビの「メイン」でボリューム調整しているようです。
動画を録る際に、アップロードされるデータは「マイク音データ」と「カメラ画像」のみで(下記の追記に記述した「相対音量値」もアップロードされているようです)、ミュージックはサーバ側で用意されているMIDIデータを用いて動画に合成されます。
マイク音は以下のようにデジタルデータ化されてうたスキ動画サーバに送られると思います。
●追記:2018/04/13
上記とは別の特許「特開2014-048403」に音量自動調整についての記述がありました。
ブラザー工業特開2014-048403より引用
この図の44aがマイク、44bはギターなどの外部楽器入力です
これによると、キョクナビでの音量調整以前のデータが録音用データとして送られるとありました。
このため以下のように修正いたします。
うたスキ動画サーバではどのように音量を自動調整して合成しているのでしょうか?。
特開2014-48403本文の【0050】「調整をサーバ側で行う第2実施形態」の場合の【0056】の形態がスマホやPCで動画を見る際の音量自動調整にあたると思います。
ブラザー工業特開2014-048403より引用
この図の出力音量値がマイク音量側で、演奏音量値がミュージック音量側です
実際にはマイク音のピーク音量なども考慮に入れて自動音量調整していると思われるので引き続き特許情報を調査していきます。
お店でコラボするときのスピーカー音量の決定のされかた(第1実施形態か第2実施形態かは筆者は判別不可能)も記述されているので「特開2014-048403」は一度目を通しておいたほうがいいかもです。
特開2017-173704で書かれている内容はあくまでカラオケ店の部屋内での音量調整のフローの変更に関する特許だと思います。今後この特許の内容も加味された音量調整がカラオケ店内では実施されると思われるので、特開2017-173704も念の為目を通しておいたほうがいいかもしれません。
特開2017-173704を見ると、キョクナビのマイク音量を小さくするとデジタルボリュームを小さくすることになり、ビット落ちによる音質劣化が発生するとあります。
動画を録る時には、キョクナビのマイク音量とミュージック音量は少し大きめにして、メインを絞っておくような設定にしたほうがいいのでしょうか?
確かに、JOYSOUND直営店では、デフォルトのキョクナビ音量設定は、メイン28、マイク41、ミュージック43くらいです。
マイク41は「-5dB」、ミュージック43は「-3dB」なので「相対音量値」は「-2dB」でサーバに送られていることになります。
いろいろ試してみるしかないですね。
キョクナビで調整しているマイク音量は、マイク入力A/D変換後のデジタルボリュームで、ミュージックボリュームのデジタルボリューム値との差が「相対音量値」としてサーバに送られているということを理解していると調整が楽になるかもしれません。
まだ実装されていないようですが、録音時の音量状態を維持するための「補正音量」という考え方を導入した特許も存在する「特開2017-068047」ので参考までに見ておくのもいいかもしれません。
参考まで。
追記:
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