こんにちは
今日は採点機能が本来目指すべき「上手く歌う」という観点から見たJOYSOUND採点機能の利用法について簡単にお話ししたいと思います。
音程
JOYSOUNDの採点は音程の配点が40点もあって、まさに音程を合わせる採点と言っても過言ではありません。
JOYSOUNDの「分析採点マスター」の画面の「音程バー」を見ると、音程が直線的・階段状に音符にしたがってバーで表示されていて、この「音程バー」に、発声した音高を合わせることによって音程の配点が決まっていきます。
採点的にはバーをきちんとなぞって直線的・階段状にきちっきちっと音程を合わせた方が高得点になります。
ところで実際のアーティストや私たちは、こんなに直線的・階段状な感じに音程変化を発声しているでしょうか?
アーティストの音程変化は確認できないので、自分で「分析採点マスター」を保存して、スマホで「音声りれき」から音程変化を確認してみましょう。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、バーの手前で下がっていたり、階段状でなかったり、それほど直線的・階段状でないように思えます。
(PCで分析採点マスターの音声りれきを確認するともっとよくわかります)
実際は「曲線の連続」のような感じで音程変化していきます。
カラオケ店での画面に出る音程バーは、音程が上下数%以内にあればバーに収まるように表示しているにすぎなくて実際は曲線的な変化の連続です。
この曲線的な変化を無理やりに直線的・階段状に近づけて歌っていくと、実は歌が「少し味気なく」感じるようになります。
よく、「音程98%以下は雑魚」とか語ってる人がいますが、採点的に正しくても、歌としては不正解だと私は思っています。
つまり極端な言い方をすると、今の音程バー主体のカラオケ採点で音程正確率にこだわりすぎると、自ら下手くそへの道を踏み出す努力をせっせと積み重ねるということになるということです。
あまり音程正確率にこだわりすぎない方が個人的にはいいと私は思っています。
もっと言うと、カラオケ採点の音程は本来、「アーティストの音程変化曲線との一致率」を見るべきだと思っています。(歌の上手さには必ずしも合致しない場合もあるかもしれませんが、採点にはなんらかの基準が必要です。)
ロングトーンとフレーズ感
JOYSOUNDの採点のロングトーン項目は、一般的なロングトーン(一定の高さの音を長く伸ばす技術)以外に、フレーズ感を持って(音符のひとまとまりのフレーズをひとまとまりとして感じさせるように)ロングトーンの長さを適切な長さにすることも判定基準としています。
「JOYSOUD採点は点数が取れなくて理不尽だ!」と感じてる方は、だいたいこのフレーズ感がなく、ロングトーンがだらだらと長すぎる場合が多いと私は思っています。
このロングトーンの長さも、どのようなものにすればいいか迷うところだと思いますが、単純な方法としては「ガイドメロディが伸ばし切るところまで伸ばす」ことを目安にするのもいいかもしれません。
もちろん本来は、フレーズの歌詞の意味や強調なども考えて短くしたり長くしたりすべきですが、おそらくJOYSOUNDさんがガイドメロディを作るときはアーティストのロングトーンの長さを参考にほとんど決めていると考えるので、単純に参考にしていっていいと思います。(害メロもあったりしますが、まあ少数だと思います)
ですが、採点歌いに徹すると、適切な長さのロングトーンより、「ブツ切り」に近い方が採点のロングトーン項目の配点が稼げる曲が多いようです。
このあたりの採点基準データは私たちにはブラックボックスなので、私たちは歌ってみて判断するしかないです。
また、JOYSOUNDさんは公式には、ロングトーンの適切な長さを判定しているとは一言も言っていません。
ただ、長すぎるロングトーンの非情なまでの大量減点を見ると、だらだら伸ばすのは明らかにJOYSOUNDさんの方針ではないことが伺えます。
なのでフレーズ感を持って(原曲のアーティストのロングトーンの長さを思い出して)歌って、だらだら伸ばさないことに注意して、分析採点のロングトーン項目は8割から9割取れれば良しとするくらいでいいと思います。
ビブラートとしゃくりやこぶし等のテクニック
カラオケの歌唱テクニックとしてもうかなり一般的に認知されてきている「ビブラート」「しゃくり」「こぶし」ですが、JOYSOUNDさんの採点では配点が5点しかなく、明らかに軽視されています。
JOYSOUNDさんの方針はわかりかねますが、最近の楽曲ではそこまでガッツリテクニック盛り盛りに歌う楽曲が少ないということも影響しているかもしれません。
ここで一旦このようなテクニックとは一体何かを改めて簡単に整理してみましょう。
ビブラート:一定の音高を中心に波線のように細かく音程変化があること
しゃくり:フレーズの頭などで、下から上にグイっと音程変化があること
フォール:フレーズの最後などで、上から下にグイっと音程変化があること
こぶし:フレーズの途中などで、一旦上に上がって下がるグルっとした音程変化があること
要するに全て音程変化です。
これらのテクニックのうち、ビブラート以外は、音程バーを短くつなげることで擬似的に表現できます。
JOYSOUNDさんは、ビブラート以外は基本的に音程バーへの一致率(音程)として基本的には判断する方針なのかもしれません。
分析採点の音程バーを見ると、そのようなバーの構成の曲もたまに見かけます。
JOYSOUNDの採点結果で、これらのテクニックを数値として見たい場合もあるかもしれませんが、音程変化として判別すべきかテクニックとして切り出すべきかJOYSOUNDさんは迷ったように見受けられます。
先ほど書いた音程の項目の説明で最後に私は、「音程はアーティストの音程変化曲線との一致率」を見るべきだと言いましたが、実はこれは今JOYSOUND陣営のブラザー工業さんが公開している最新の採点特許そのものなのです。
その特許によると、テクニックは、「アーティストの音程変化曲線」「楽曲の譜面データ」の差から、テクニック箇所を抽出してそれぞれのテクニックを入れる箇所や長さなども含めてデータ化して(歌い回しデータ)、ユーザーが適切な箇所と長さでテクニックを駆使した場合に加点するようなものになるようです。
「鬼のビブラート魔神」は減点な訳ですね。非常に合理的です。
なので、次機種の採点が出るのを私たちは楽しみにしていましょう。
現行の採点ではビブラートくらいしか参考になりません。
以上、簡単ではありますが、JOYSOUND採点を利用して歌うまを目指しましょう。